- 男性が育休を取るなんて、現実的ではないと考えていませんか?
- お金が心配で育休の取得をあきらめていませんか?
- 会社が取らせてくれるわけないと思っていませんか?
実は、制度を正しく理解し、家族との関わりを考えることで、育休が身近で取得しやすいものになってきています。
なぜなら、「育児・介護休業法」の改正にともない、社会的に男性育休の取得が推進され、金銭面を含む制度も充実してきているからです。
わが家は、2022年5月に第一子が誕生しました。私はその1ヶ月後から約11ヶ月間の育休を申請し、現在、主体的に育児に参加しています。
この記事を読むことで、男性育休に対する金銭面、社会関係面での不安が少しでも解消し、安心して育休を取ることができます。
育児休業制度の概要
育児休業とは、簡単に説明すると子どもが生まれてから1年間、国の制度として会社を休業して子育てできる権利です。
取得要件
- 雇用保険に加入している
- 子どもが1歳6ヶ月までに契約が満了しない
- 雇用期間が1年以上(労使協定の取り決めがある場合)
1つ目の「雇用保険に加入している」は、確認しておくべき重要なポイントです。雇用保険とは仕事が無くなった時に備える公的保険のことです。これに加入していないと、育児休業給付金の支給対象者にはなれません。
2つ目の「子どもが1歳6ヶ月までに契約が満了しない」は、パート、派遣、契約社員などで契約期間が設定されている方は、この条件を満たすかチェックしましょう。
3つ目の「雇用期間が1年以上(労使協定の取り決めがある場合)」は2022年4月の法改正で緩和された点です。労使協定(主に労働組合と会社の間での取り決め)がなければ、雇用期間が1年以内でも育児休業を取得することができます。
確認する事項はこの3つだけ!
誰でも取得しやすい制度なのが理解してもらえたと思います。
育休 金銭面での支援
メリット
育児休業給付金がもらえる
育休中は、雇用保険より給付金が支給されます。休業開始から半年間(180日間)は給与月額(直近6ヶ月平均)の67%が支給され、181日目以降の半年間は給与月額の50%が支給されます。
給料の手取りと比べると、8割程度の金額をもらえることになります。
所得税、社会保険料、雇用保険料が免除される
育児休業給付金は、所得税の非課税対象です。その他の収入(副業収入)がある場合は課税対象です。社会保険料、雇用保険料ともに会社で免除の手続きをしてくれます。
翌年の住民税が安くなる
住民税は前年の所得に対して課税されます。育休を取得した翌年は、非課税対象である育児休業給付金分の住民税が安くなります。
ただし、育休を開始した年は前年に所得があるため、その所得に基づいて計算された住民税を支払う必要があります。
デメリット
賞与(ボーナス)を補填する補償はない
賞与(ボーナス)を支給されている方は多いと思いますが、育児休業期間中は賞与を補填する補償はありません。
ただし、賞与の基準日まで勤務または、有給を消化して育児休業に入った場合には、基準日までの賞与が支給されます。
以上のメリット、デメリットをまとめると賞与分の収入は減りますが、ほぼ毎月の手取り額を受け取ることができます。
でも、下記のような少し後ろめたい気持ちを感じる人もいるのではないでしょうか?
加入している雇用保険から支出されているので問題ありません。雇用保険は誰もが休業をする可能性があることを考慮し、公的保険として、企業と我々労働者で積み立てているものです。
社会保険料、雇用保険ともに会社と労働者で負担していますが、双方とも免除になるため、会社だけが金銭的な負担を負うことはありません。
金銭的にも国をあげて育児休業を普及しようというねらいがみえると思います。
金銭面で会社側が不利になることはありませんので、一切後ろめたい思いをする必要はありません。一度、育休を取得した場合の金銭面の試算をすることをおすすめします。
真剣に自分の人生を考える一歩になるはずです。
育児休業を取得する目的の明確化と期間の決定
育休を取るにあたって、目的を明確にすることは重要です。
制度面でいくら育休が取れると言われていても、日本の社会はまだ男性の育休に対しての理解が十分ではありません。もし、あなたが長い期間育休を取ると宣言したら、さまざまな人から否定的な言葉を投げかけられるかもしれません。
その時に、自分自身の中の明確な目的を語り、整然と生きていかなくてはなりません。
私の育休取得の目的は以下の通りです。
- 2年間の不妊治療を通して、妊娠・出産・育児が当たり前でないことを知ったので、貴重な育児の時間をなるべく長く取りたい
- 80年という人生の1年を育児に全力投球することで、仕事以外の新しい価値観を見つけたい
子どもができないかもしれないという2年間の日々が、私の育児に対する思いを強くしました。妻の妊娠を知ったときは、今までで感じたことのない喜びがありましたし、出産に立ち会い、初めてわが子の顔を見たときには、必ずこの子を幸せにしようと思いました。今でもあの頃を思い出すと泣きそうです。。
80年ある人生を仕事だけで終わらせたくない。たった1年間でも、全ての時間を家族に費やすことで幸せな人生を手に入れたい。
生まれたばかりのわが子と十分に関わるなら今のタイミングでしかできないので、このチャンスは逃せない。
この2つの目的を実現するために、約1年間(11ヶ月)の育休を取得することにしました。
妻との相談
制度・金銭面でのサポートを認識し、育休取得への意向を固めたら、まずは妻に相談しましょう。
個人的には、妻との相談が一番重要なポイントだと思っています。
何と言っても、妻との間に産まれた子どもの育休ですから、子育ての方針も含めて二人でじっくり話し合うことが必要です。
私が育休をとるつもりだと妻に話した時のやりとりがこちらです。
この当時のことを妻に振り返ってもらうと、積極的に育児に関わってくれるのは嬉しかったようですが、やはり、収入面で不安があったようです。
そこで、育児休業給付金で毎月の手取り額ほどのお金が受け取れること、出産・育児に関する手当や助成などが充実していることについて説明しました。
出産・育児にかかるお金も各種給付金や児童手当、医療費助成などでほとんどまかなえてしまいます。
これにより、夫婦二人で1年間育休をとっても金銭的にはあまり問題ないということを、妻に理解してもらうことができました。
親や友人への相談・報告
私の個人的な考えですが、育休取得の決意が固まっていないのなら、親や友人には基本的に相談しない方がいいと思います。
私が育休を取ると宣言した時、周囲はあまりいい反応ではありませんでした。心配されたり、やめた方がいいのでは?と言われたりすることの方が多かったです。
育休を取るかどうかを選択するのは、あなた自身です。
周りの意見に左右されて、後悔する選択をしないでほしいです。子どもの成長著しい時期に一緒にいられる経験は今しかできません。
会社への伝え方
会社に育休の取得を伝えるタイミング
法律上は育休開始日の1ヶ月前までに会社に通知する必要がありますが、なるべく早く伝えることが混乱なく取得できるコツです。また、伝えるときは繁忙期を避け、直属の上司と二人になれる時間を作りましょう。
妻の妊娠を伝えた後、なごやかな雰囲気で育休取得を伝えるのがおすすめです。
引き継ぎへの配慮
育休で職場を離れることになれば、自身が受け持っている仕事を他者に引き継がなくてはなりません。スムーズに仕事を引き継げるように、業務記述書の作成、業務の効率化をしておきましょう。
引き継ぎがスムーズにいけば、後腐れなく育休に入ることができます。
【まとめ】育休を取得するまでにしておくこと
- 育児休業の制度・金銭面での支援を理解する
- 育休の目的の明確化と期間決め
- 妻との相談
- タイミングをみて会社へ伝えることと、引き継ぎの準備
以上をしっかりと準備しておけば、誰でも育休を取得することができます。
育休を選択する権利は誰もが持っています。
一度しかない人生、後悔しない選択をしてください。